懐かしのサミット    2011年2月28日          小堺 高志

 

今月2月の初めにマンモスに行ってから暫らく間が空いている。そんなところに日系旅行会社 H.I.S.によるローカルのスノーサミットスキー場へのバスツアーの知らせが入り,この日帰りツアーに参加することにした。リフト代込みで99ドル。さらにマスターカードを使うと10ドル引きであるから、かなり納得の料金である。

 

27日の日曜朝7時、家から10分ほどで行けるガーデェナーにある日系マーケットの駐車場が集合場所である。昨夜まで雨であったが今朝は綺麗に晴れて雲のない青空に朝日が昇っている。数日前まで天気予報は土日が雪と言っていたが幸い一日ずれ込み金曜、土曜の夜エルエーは雨、スノーサミットは雪で今日日曜は朝から快晴である。

昨夜の雪で行きの道路状況が気になるが雪質も天候も最高のスキー日和と思われる。

 

710分前に着くと駐車場に参加者が集まり出した。今回参加者は総勢45名と聞いている。

顔ぶれは半分は家族連れ、半分はスキー仲間同士での参加と見える。私はまったくの一人での参加であるが、45人いたら絶対誰か、知ってる人が来るだろうと思っていた。早速、何度か一緒に滑った事のある佐藤さん、今井さんと合う。他に女性が二人佐藤さんの音頭で参加していた。さらには私の仕事関係の知り合いである辻さんと鈴木さんの女性陣。

 

やがてダウンタウンとウエストエルエーで参加者をピックアップしてきたバスが10分遅れで着いた。出発は7時20分。やはり全体の70%くらいは ここサウスベイと呼ばれる地域からの参加者であった。

集合場所に集まってくる参加者達とバスの車内.。フリーウエーから見えるローカルマウンテンも雪化粧。
 

スノーサミットはアメリカで私が始めて滑ったスキー場である。30数年前、学生であった時、その頃の私のスキーメートで今は日本に帰ってしまった貞やんと冬にはほぼ毎週末このスキー場に通っていた時期があったのである。ここはビッグベア湖を眼下に望み、ローカルの山で一番の風光明媚なリゾート地でもあり、懐かしく思い出深いスキー場である。

 

ビッグベアへの道路は4ルートあるがそのうちの最短距離を行く2コースは今期のがけ崩れと金曜、土曜に降った雪のため開いていない、今日は38号線で行くと言う。38号線は東側からビッグベアへ入っている道である。一番遠回りの道であるが道路は他と比べると良い。元々の予定では7時出発、10時到着と言われていたが雪が降れば確実に1時間は余計にかかる。すべてのルートを何度も走ってる私の予想では到着予定はおそらく11時近くになる。

 

フリーウェーの上から雪化粧したローカルの山々が見える。金曜の夜30cm、昨夜に10cmほどの雪が降っている。途中10分の休憩を入れて、山道に入ると、道路に雪が現れる。山道に入ってすぐチェーン規制に引っかかり、ドライバーと添乗員の高橋さんがバスの大きなタイヤにチェーンを履かせる。20分ほどで走り出すが、どうも上手く履けていないようで、その後さらに数回止りながらもバスは両側に雪化粧した林の中を走る。遠回りの上にチェーンで時間をとられ、到着時間はどんどん遅れていく。

 

やっと見慣れたビッグベアの街中に入るとスノーサミットのゲレンデが見えてきた。すぐ左り側の奥には姉妹スキー場であるベアマウンテンも見える。どちらも、かっては何度も通ったスキー場であるが、サミットはローカルのスキー場の中では一番規模も設備もいいが日帰りにはけっこう遠いのである。いつの間にかローカルで滑るのは近くのマウンテンハイなどが多くなり、ここは10数年前に一度来ただけでその後マンモスにシーズンパスで通うようになった。規模も雪質もいいマンモス通いでスポイルされ、ビックベアには久しく来ていなかったのである



チェーンを装着する後続の車。搭乗員の高橋さんと手伝いそうな佐藤さん。雪景色のなかをスキー場へ向かう。
 

到着時間は大いに遅れ、バスが駐車場に止まったのは11時半であった。なんとも中途半端な時間になってしまった。10時に着いていれば、2時間ほど滑って昼休みをとり、午後からまた滑られるが、この時間では昼食を摂っていたら一日かけてきて3時間しか滑れない事になる。搭乗乗員から帰りの予定を1時間遅らせるとアナウンスがあったが、これからレンタルをしなければならない人も居る。

 

私はともかく早く滑りたくてしょうがない。用意をしている佐藤さん達を待つこと無く、一人でゲレンデに直行して山頂に行く1番リフトに乗る。
スノーサミットの山頂、この場所に何度も立ったのはもう遥かに昔の事である。ここから目の前に見えるビッグベアレークに向かって滑り降りる気分は若かったあの頃を思い出させる。

 

いきなりノンストップで2本滑ると、私の滑りたい病もおさまり、やっとリフトラインに並んだ佐藤さん、今井さんと合流する。

少し重いがローカルの雪としては最高のコンデションである。山頂に直行するリフトは2本。その他、30数年前より山に向かって左に2本、右に1本のリフトが増えている。新雪の感触の残る雪はスピードに乗ってターンを切るとエッジが気持ちよく雪面を捉える。

 

皆さんと一緒に正面を何本か滑ると中級者用の斜面で私には少し物足りなくなってくる。一人でウォールの斜面に向かう。この一画はスノーサミットでも一番急な斜面であるがマンモスのダブルダイヤモンドの斜面と比べれば大した事はない。柔らかい雪が残り、軽い瘤になっているが気持ちよく滑り下りる。



快晴のゲレンデは道路が閉まっていた為か空いていた。ここからの眺めは絶景である。
 

3週間ぶりのスキーで疲れてきたがアドレナリンが出ているので休むのがもったいない。2時くらいに5分間だけ座って持参のおにぎりを一つほうばり、すぐにゲレンデに戻る。

 

山に向かって右側の新しいエーリアにいってみる。こちらはファミリー用の中級斜面とスノーボードパーク。私にはやはり物足りない。ここは他のローカルマウンテン同様、7割近くがスノーボーダーであろうか?しかもここのスノーボーダーはマンモスに比べ初心者が多く何時もリフト乗り場はてんてこ舞いである。リフトに乗るときには前の人が乗ったらすぐに所定の乗車位置に進まなければならないが、それが出来ないボーダーの多い事。

 

一度など私が所定の位置でリフトに乗ろうとしたら数メートル後ろで私の乗るべき場所に初心者のボーダーが腰掛けてしまっている。まったく、おいおいであるが、リフト係も今ひとつしっかりとやっていない。そして、いちいち止めていたら切がないというように、なかなかリフトを止めない。当然リフト降り場も修羅場である。面白いようにこけてくれる。こんなシーンに慣れきっている係員は「ウオッチ ユア ヘッド!」とリフトに頭をぶつけないように言って、そのまま強引にスノーボーダを抱えて引きずって移動させる。それが延々と続くのである。


前を滑る今井さんヒロさん、私。
 

戻って佐藤さんのグループと合流し暫らく一緒に滑った後、また別れて今度は一番リフトの左側にいく。こちらの7番リフトのある斜面は傾斜もあり、飽きない斜面である。リフト沿いに2本、一気に滑り降りる。このエーリアの7番、10番のリフトには初心者が来ていないので安心してリフトに乗れる。集合時間は5時、リフトは4時半までと聞いている。4時過ぎまでこの周辺で滑り、1番リフトに戻ると佐藤さんと来ていたヒロさんがいて「もう一本行きますか?」と言うので「勿論、何本でも!」山頂に着いたのは420分、ヒロさんに「もう一本行くので先に行きます」と声をかけて、ノンストップで滑り降りる。もう一度山頂に戻って、最後の一本を左側斜面に回り込み、あがる事にする。
ベースにあるロッジの前に行くと今井さんがいた。ビールの大缶を買って飲みながら見るとまだリフトは動いている。どうも
5時まで動いているようだ。しかし駐車場で待つバスへの集合は5時である。暫らくゲレンデを見ながらスキーの余韻を楽しんだ後、残りのビールを飲み干して集合場所のバスへと向かう。

 

来る時の遅れで幾分いらだった感じだった参加者は皆満足そうないい顔に戻っている。雪のため到着が遅れたのはしょうがないが、雪道ではそういうこともある。しかし 「幾ら遅れても10時半には着きたい、その為にはもう1時間か30分朝早く出ても、バスの中で寝ていられるのだからその方がいい」、と言うのが私の周りの参加者達の声であった。この料金で機会があればまた参加したい。私の場合の機会があればはマンモス行きの予定とぶつからなければであるから、やっぱりマンモス行きが優先である。



ビッグベアレークを眺めながらのスキーは気持いい。

満足してバスに乗り込む参加者、お疲れ様でした。 

久しぶりの懐かしのサミットで気持よく、休みなく滑ったが、心地よい疲れである。何よりもこれから運転をしないで帰れるのはいい。

バスが走り出すと暫らくうたた寝をしていた。

スキーの他にも魚釣りやキャンプで思い出の地でもあるビッグベアは久しぶりに訪れた私を優しく迎え入れてくれた。心地いい疲れにまた夢の中に誘い込まれる。

ガーデナ着は2時間半遅れで925分であった。

 

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